改めて常緑樹と落葉樹

ぱっと見、元気が無さそうに見える「ソヨゴ」

樹木選びとかって、洋服と違ってそうそうする事ではないですよね?(私たちは仕事でいつも木を選んでいます。)もしかしたら家を買った時、一生に一度かもしれません。でも、毎年買い換える物でもないですよね?ずっと付き合う事がほとんどかもしれません。慣れていないけど後悔したくないのが樹木選び。そんな樹木選びの話です。

まずいつも樹木と携わっている私達の考え方と一般的な樹木に対する印象で、大きく異なる事が、落葉樹の価値です。落葉樹は「葉が落ちる」というマイナス面は良く知られていますが、メリットはあまり知られていません。逆に常緑樹のメリットはわかりやすいので良く知られています。そのため自分で植えるときっと常緑の比率が高くなるのではないでしょう。

樹木の魅力って、さわやかな緑、葉ですよね。でも、落ち着いて樹木を眺めていると、同じくらい「幹」が美しい事に気が付きます。想像してみてください。幹のラインがしっかり見える樹木と、葉にかこまれたもこもこした木。幹のラインが見えるのも一つの魅力と感じませんか?盆栽を眺めた時、茂った葉に覆われた盆栽よりも、適度に幹が見えて枝ぶりも楽しみたくないですか?常緑でも枝ぶり出す事ももちろんできますが、幹が美しく見えるのは圧倒的に「落葉樹」が多いです。そして、葉のつくりとしても、常緑は寒さに耐えられる厚ぼったい葉、落葉は7か月くらい持てば良いので、薄い作り。すなわり爽やかな葉。樹木に美しさを求めた時、落葉樹はとても有利です。夏日射しを遮って、冬は取り込めるのもメリットです。

常緑は環境調整や目隠し等、とても機能的です。昔から北側に常緑樹を植えて防風林にしたり、生垣などで目隠しにするのも基本的には常緑樹です。冬に要所にあると寂しくなり過ぎないのもメリットですね。

あと、意外と知られていないのが、常緑も葉を落とします。写真のソヨゴ、元気ないように見えますが、今新陳代謝で、古い葉を落とし、新しい葉を作っています。これから古い葉落ちます。良ーくみると新芽が出ていますよ。なので、弱っているというよりも、新陳代謝です。

色々ひっくるめて、ざっくり言うと落葉7:常緑3ぐらいがプロの提案としては多いのではないでしょうか。あとは、どこに配置して、どんな木を選ぶかですな。

ソヨゴの新芽