ディテールのせめぎ合い

テイカカズラの葉をすり抜けて事務所にやってくる光達

昨年作った写真のテーブル、実は設計段階では天板がフチのLアングルの中にすっぽり納まるデザインでした。事務所の水場件、棚などは全てこの作り方です。溶接まですっかり終わっている段階でしたが、その姿を見て、あれ??何か違うって感じでした。フレームの中に木を収めると、鉄のラインが強調されすっきりとした印象ですが、せっかくバーンウッド風にエイジングした木材の良さも鉄のラインにしまわれてしまった感じです。

最初から気づくべきだった。

天板を大きくはできないので、鉄をサイズ変更で、切り、短くして溶接しなおしです。結果、一気に色のバランスまで良くなったようです。比率で言うと2%とか、3%白が減り、ベージュが増えたぐらいなものですが、見た目の良さは200%にUPです。

とてもとても細かいディテールの話ですが、事務所のテーブルは、そんなディテールの積み重ねで空間は大きく変わってくるものだなと毎日思い出すことができる、自分にとって“戒め”のテーブルでもあります。

自然は真空を嫌う

ジンクリッチ塗装の状態

アトリエでは、かつてない量のアイアン製品が製作されています。昨年辺りから人数少ないながらも、新たな縁や、それぞれのスキルアップで仕事をできる量が少しづつ増えてきているなあ・・・と思っていて、その分ちゃんと仕事が増えたらいいなと思っていたら、その分以上のお話をいただいております。

ありがとうございます<m(__)m>

同年代の仲間、横のつながりと、上から引っ張ってもらう力、そして下から支えてもらう力がかみ合うと仕事や成長はうまく行くと言いますが、アトリエ朴の場合、本当に上の方に良くしてもらってきましたし、横のつながりにも恵まれていました。今は若い力も加わってさあ、みんなで頑張ろう!!という状態です。

体調管理には気を付けながら、みんなで苦しみと楽しみを味わって一現場ごとに「格好良いね!」と笑顔で言えるよう頑張っていきたいと思います。

コトワザやメイゲン

こう見えて、小学生のころなぜかことわざが好きでした。 祖母から誕生日にもらった「ことわざ辞典」を何度も読んでいた気がします。(中身はだいぶ忘れてしまいました) そして、子供ながらに宗教がたくさんある事が不思議で、むしろ先人たちの素朴な?教えであることわざという言葉の中にこそ「神」がいるようにすら思っていました。

あれから30年の時を経て、答え合わせのように人生を歩み、すごく腑に落ちる言葉もいくつかありました。その一つが、ことわざではないかもしれないけど、上の言葉です。

言葉≠行動 これは、わりと当たり前で、嘘をついているわけでなく、想いが行動になるスピードと、想いが言葉に整理されるスピードが必ずしも一緒ではない。言葉が先に整理され、喋りが達者になる人もいれば、凄い事ができているのにまだ論理的には説明できない、みたいな事も多々あるかと思います。

でも、言葉と行動では行動の方が素直に想いが出ると思います。それも、長期的にみれば想いと違う行動は難しいかと思います。

自分の想いと行動と言葉も客観的に見つめなおしたいなあとふと思いました。

眺める庭

昔の庭園は、観賞庭園で、だいたいが客間からの眺めを重視して作られていたそう。今は観賞目的もあるけど実用性が求められてきている。

じゃあ、観賞目的だけで見た目重視で作れたら今より簡単かというと、逆に難しい部分もあると思う。

水槽や、火や波はなぜだかずっと見ていられるけど、動かない景色はずっとは眺めていられない。きっと1分もすれば飽きてしまう。

それを、客間からの眺め、つまりはステータス的な役目も果たすモノが庭だったという事は、いろんな工夫があったと思う。

流れもその一つだし、江戸時代の造園の本に書かれている手法に「灯障りの木」という役木のテクニックが書かれていて、これは灯篭の傍に木を植えなさいと言うもの。そしてその木は松みたいに硬い木ではなく、ヤマブキなどやわらかい枝を持つもの。つまり、風でそよぐと、灯りが映す“影”も揺らぐものを植えなさいという事。

シンプル故に奥深く、こんな粋な計らいは、灯篭がガーデンライトに変わろうとも真似できるテクニックで、どんどん真似していくつもりです。

バタフライガーデンしかり、鳥を呼ぶ庭しかり、眺めを考えるという事は、動きを考えるという事なのかもしれないですね。

Rose Chinensis var. Vilridiflora

“グリーンローズ”

植物の主たる目的は種の繁栄。

でも、この子は花を咲かせて種をつくる事よりも自らの成長に全ての力を注ぎこむべく?花でまで光合成をしようとしている。

極めて貪欲。

結果、個性ある姿が人気で、自ら種をつくらずとも、人々が栄養繁殖させて種の繁栄ならぬ個の繁栄を実現させている。

革命児のようなバラ。

葉のような花は控えめで派手好きの人からは認めてもらえないけど、冬に赤く色づく姿は、虚を突かれる。

生き方まで含めると一番美しいバラなのかもしれない。雌しべ、雄しべを退化させたアバンギャルドなバラである。

ようは、お勧めのバラです!

植物の方が優れていると思う

地球もきれいな球体ではないらしいです(バオバブの実)

植物の方がずっと長く地球上に存在していて、

植物の方がうまく地球と付き合っている。

黄金比の説明にも良く出てくるシダの芽出し

ある意味、レオナルドダビンチより数学、物理、アートと多岐に渡り優れていて、最も効果的な葉の展開方法まで、計算しつくしている。

彼ら(彼女)はこれほど優れているのに、急激な進化や、変化、他の動物などへの攻撃を最小限にとどめているのはなぜだろう。

美しすぎる斑入りバナナ

きっと、急激な進化や変化、攻撃がもたらすものまでわかっているからかもしれない。

自然崇拝を語りたいわけでもないけど、機能などの価値とともに、美しさの価値をデザイナーとして考えた時も植物にはなかなか敵わないなって。

もし自分がプロダクトデザインをしていたとしたら、植物に寄せていくデザインばかりになりそうな気がする。

そんな中、自分の行っている植物を使った空間デザインって考えようによっては凄く特殊で、植物に寄せるもなにも、“植物”を扱える。逆に言うと、扱わなくてはいけないというこわささえ覚える。

まるで、尊敬する師匠に指示しなければいけないようなこわさ。

うわべだけじゃ無くてちゃんと植物の声を聞けるようなデザイナーになりたい。

初夏の滝山ナチュラルガーデン

今年はバンプトン手前のリアトリスが良い感じになってきた

梅雨の晴れ間はナチュラルガーデンの植物達もイキイキしています。本日はお庭造りの植込みの前に、八王子ボランティアガーデンの方々ともお逢いできました。定例の作業日以外にも草取りをして下さっているボランティアさん達もいるようで、季節のわりに雑草が少なめです。嬉しいです!でも熱中症には気を付けてくださいね。

背景がマウンテンミントで手前がロシアンセージ、間にパニカムチョコラータ。

フォルム的には線と点のような、落ち着きが足りない?エリアですが、色はマウンテンミントの白っぽい芽に、チョコラータの黒がちょうど良い量で効いています。

人が居る方が景色が良い感じになる。服装も調和してますね!

私は寂しがりやだからか?ガーデンに人が居る時の景色が好きです。まだまだ若い庭ですが、皆の愛情で少しづつ良くなっていくガーデンだと確信しています。

コンクリートもフォルム変えるとソフトなイメージに近づきます

午後は80km程移動して、個人邸のお庭づくりへ合流します。重く埋めたいイメージのコンクリートを、フォルムを変えて、やや丸みを持たせてソフトな方に寄せたアプローチです。バーミキュライトなどを混ぜて土を塗る“ソイルコンクリート”の時に使っていた手法を今回はコンクリートのみで行っています。

※お伺いをお待ちいただいている皆様、雨で思うように伺えていなくてすみません。今週末からも、雨が続くようで予定が立てづらくなっています。 m(__)m

環境は心を変える〜ハウススタジオ編~

ここなら勉強する!

今日は撮影のため、“ハウススタジオ”に訪れました。基本的に生活する場所では無いというアドバンテージはあるものの、環境の良さに自然とテンションは上がります。なんとなくは知っていたけど、料金が発生して撮影のために空間を貸すというハウススタジオに来たのは初めての体験です。

空間をつくる事を仕事としていますが、素敵な空間をつくって、そこにちゃんと価値があれば、そのスペースのレンタルが仕事になるという事を肌で感じ、つくっては一週間で壊すガーデンショーというイベントに多くかかわってきた私はなんとなくそわそわしてしまいます。

(はたして今までの労力の使い方は合っていたのだろうか・・・)

ここならちゃんと本読む!

もちろん、今までのことにも意味があったと思っているし、スタジオという仕事をしようと思ったわけではありません。

でも、今まで考えて来なかった空間づくり、利用方法の今までとは違う方向性も可能性として感じる事が出来ました。

それとともに、整理され、調和した、ゆとりある気持ちよさそうな空間を見るとここなら仕事はかどりそうだなぁ・・とか、すごくプラスの気持ちになり、事務所環境や、住環境ってものすごく大切だと改めて芯の部分に振り替える事ができた気持ちです。

労働環境を気持ち良くするとかって、目先の事に優先順位を置きすぎるとなかなか実践できなくて、ずっとないがしろになる。でも、何年も先をしっかり考えながら行動できる人は必ず実践している事のように感じます。お客様をお待たせしながらこうゆうのもなんだけど、明日、一週間後、一か月後、一年後、五年後とバランスよく考える事もたいせつだなぁ。

今の事務所はここに負けない良い環境だけど、もっと広い意味でも環境をもっと良くしてもっと良い心に変えていく事も考えよう。

あっ今の事務所の環境で、ひとつ問題がありました。先日、事務所の小さな冷蔵庫に霜が付くので、えいやって、小さいバールで霜削っていたら、穴空いたらしく〝プシューーー〟ってガスが抜けました。Google先生に聞いてみるともう修理不能な壊し方。多くの人がやってしまう悲しい失敗。。。らしいです。これから暑くなって飲み物重要だから早く環境を整えねば!

ここならちゃんとガーデニングする! あれ?

とにもかくにも、今日はハウススタジオでお仕事できて本当に良かった!

北アフリカより届いた鳥かごで

チュニジアやモロッコの鳥かご?

現在アトリエ朴限定ではあるものの、鳥かごライトが静かなブームです。3年前に西武ドームのイベントでパリをテーマに作品を依頼された際に、いつも良いタイミングで会話をしてくれてアドバイスをくれるOさんの「パリ」からのイメージで鳥かごをたくさん置いて、その時から鳥かごの持つ愛らしさや独特の存在感に惹かれていきました。

もしかしたら、ここなら鳥かご似合うかも?っていう時だけ提案させていただいたりしてきましたが、実際のお庭でもライトとして使わせていただいてきました。

そして、今つくらせていただいているお庭ではお施主様の発想のもと、素敵なテイストで作らせていただいていて、なんとライトはお施主様取り寄せで、北アフリカ方面の鳥かごを使用させていただいております。ライトを仕込んだり枠をつくったりしていると、これでライトついたら可愛いだろうなあ・・・・って。すでに楽しみで仕方ない。

ちなみに、ブログでも最初はBIRDCAGE LIGHTとか格好つけて呼んでいましたが、自分も含め、気づけばスタッフもいつも「鳥かごライト」って呼んでいるので、あー もう、鳥かごライトって呼びます。アトリエ朴は格好つけるのは無理があるようです。

山採り樹木

人工的な秩序と野趣のコントラストを狙った庭

ホームセンターの観葉植物コーナーを見ると、まるで型にはめて作ったかのようなパキラやユッカを見かけます。もちろんこれも立派な命ある植物で、愛すべき存在なのだけれども、それぞれ生育環境が違えば生まれるはずの“個性”が無い事がもったいなくも感じます。こういった形の揃った観葉植物達と正反対のような個性バリバリが“山採りの樹木”です。

例えば、芽を出した時から隣にある樹木を避けながらうまく光合成できるように枝を伸ばしてきたり。例えば密度で下枝が蒸れて上がってきたり。一人一人違う条件に対応して生きてきた証が樹形となっています。植える場所で昔からそこで育ってきたかのような樹形選びや組合せができれば、林の中に家を建てたように過ごせるかもしれません。

ほとんどの場合、日当たり抜群、水も充分といった環境では育ってきていないので、繊細な柔らかな枝や幹の子が多い事も特徴です。これが女性的な美しさにもつながるし、太い木の多い、日の当たる場所というよりも、緑陰の山中にいるような気持にさせてくれる理由なのかなと思います。

今回はペイビング等の秩序に対して、石や樹の持つ野趣のコントラストを狙ったプランとなっています。

コンテナで楽しむ日常美術

アルバムにかろうじて残っていた昔の寄せ植え達

空間をどの位置から眺めるかという、空間を構成するスケールの話になると、ガーデンを生業にさせていただいている自分にとって寄せ植えはメイン1種類+足元飾り1種類ぐらい、ダイナミックなつくりの方が扱いやすくなります。

今度は“飾る”ではなく“つくる”日常美術という話になると、寄せ植えの魅力はなんといっても、ひと鉢ごとに、世界観を変えて作る事ができるという点です。ガーデンはスッキリとしたナチュラルモダンで作っている人も、時には甘い、ロマンチックな植え込みをしたくなることもあるかもしれません。そんな時ひと鉢で完成させられる“コンテナでの寄せ植え”はちょうどよい日常美術となります。

寄せ植えをつくる事はどんどん少なくなってきていますが、昔作った物の写真が残っているものもいくつかありました。今見ると、2009年の緑中心の寄せ植えが土っぽく作ったコンテナに合っていたし、丸の内に飾るというシチュエーションに対して良かった気がします。同じように見える緑でも全く同じ緑は無いし、葉の形の小さな違いにも気づきやすくなる集め方だと思います。野原に飾ったら通用しない寄せ植えではあります。

半年に一回でも、たとえ小さな世界でもゼロから完成まで計画して組み合わせなど考えながら行う創作活動って凄く良い事だと思います。まして寄せ植えは普通に作品を玄関前などに飾る事ができます。

ちなみに、2015年の作品は今だから言うけど初めて、真冬の新潟で賞金総額100万円の寄せ植えコンテストをやろう!と企画したときに、応募がたくさんあった方が良いと企画者側でありながら出した作品。でもちゃんと、審査員に選ばれたら申告して辞退しようと決めていました。

結果は、いらぬ心配…「箸にも棒にも掛からぬ」でした (汗)

Mori Salon 2019

時間ごとに様々な方が立ち替わりで参加してくれました

アトリエ朴も森の一部を借りて、事務所を置かせてもらっています。そしてこの森ではオーナーである涼仙さんと、仲間たちで毎年春に森サロンを行っています。なんとなくいつの間にかできたコンセプトは学生から大御所までの自由参加。今年は6月1日土曜日に行われ、まさにコンセプト通りに年齢層も様々な方が集まりました。

具体的には時々講師として通っているE&Gアカデミーの卒業生達から、「ガーデンニング」という言葉を作り、30年間業界を支えて来られた雑誌BISESの編集長や、新樹種を日本に取り入れた方、善光寺の改修なども手掛けられている大先輩も多岐にわたってお越しいただき、緑の中でたわいもない話も、夢の話もごちゃまぜで時が流れていく、森サロンならではの不思議な心地よい時間となりました。

スマホの画面を見る時間が増えたり、ガーデニングショーが終わったり、変化していく時代の中で、これから業界の30年を考えた時に自分に何ができるだろうか?今までの時代を強い力と知識で牽引してくださった先輩方とも色々話せただけに、考えずにはいられない1日ともなりました。

色々な特技や技術、知識をもった仲間も大勢いる事も確認できたし、緑のある空間は特別だという事も身をもって確認できたし、一番はこの気持ち良い感じをどうやって、多くの方に伝えていくか・・・かなあ。