昔、滋賀~京都を見学に行った際に、前もってガーデンデザイナーの粋な先輩に勧められた本が梨木香歩さんの“家守奇譚”でした。
小説の舞台がこの辺りで、琵琶湖からの疎水などわかりやすい描写で書かれています。家のサルスベリに惚れられたり、幽霊や河童が出てくるちょっと変わったお話で、文章なのに風情みたいなものが感じられました。
洗い物をしようとしたら、家守がコップにしがみついている姿を見つけ、まさに奇譚の入口にいるような気分になりました。先日仕事中となりで行われていた蝉の羽化等、森では感動だらけです。
植物ひとつ、虫一匹も謎や神秘にあふれていて、それを「知りたい」という気持ちになればいいだけ。まさにセンスオブワンダーで、知りたいという気持ちがあると、あの家守奇譚そのものが極端な小説では無いような気さえしてくる。
家守はとても可愛らしく、奇麗でした。