20㎝に100輪~ (Spiraea thunbergii) 

ユキヤナギ “フジノピンキー”

今年は春が早そうですね~ 喜びと共に焦りも感じる春の気配です。

今日お伺いさせていただいたお庭でもユキヤナギの可愛らしかったこと。人はあまりに見慣れてしまうと、斬新さを感じないという視点からデザイン劣化という、ある意味つまらなさを感じてしまいます。例えば、丈夫で管理のしやすいサツキツツジはその性質ゆえに公共植栽でも良く使われるので、サツキツツジを植えるとつまらなく感じてしまう・・・このユキヤナギも近い物があるのかもしれません。でも、言葉を言い換えると丈夫さ、管理のしやすさで太鼓判を押された品種であり、あとは使う人のプロデュース能力次第という見方もできるのかも・・・。

バラ科シモツケ属の落葉低木で、1m~2mぐらい(日本の庭ではすごく使いやすいサイズ)

最終的にはこうゆう計算できる子達をどううまく使うかってのが「手間のかかりにくい美しい植栽・空間づくり」の肝になる気がします。一枝の20㎝ぐらいで数えたら100輪以上咲いてます。じゃあ全部で何輪咲くかってとこまでは有福コンピューターでは処理しきれませんでした。

Dianella ensifolia

 

斑入りキキョウラン

5年ほど前に植えさせていただいたナナミノキの下できれいな葉を見せていたディアネラ。ヤブランとかより葉も大きくて、ニューサイランに近いイメージかな?でもこっちの方が協調性があって優れたバイプレーヤー的な感じ。このディアネラ、和名でキキョウランは、寒さがギリギリな感じです。今年はこの通り地上部も傷まずきれいに残ってる。去年の-8℃などはどうだっただろう?でも大概は地上部が傷んでもまた5月ごろ芽を吹き返してくれる。吹き返してくれると言えば、5年前?の新潟のらん展で使った残りのクワズイモ(観葉)毎年外でしっかり葉を出してくれます。去年の寒さにも耐えてちゃんと芽吹いてくれました。意外と強健なんですね。そんなクワズイモを見習って私も弱そうに見えて強い人になろう。

この冬は規模も様々、色々な案件をいただいていて、おかげさまでテレビの反響もあり、現在一日に多くの色々なメールをいただいております。(本当に嬉しく、ありがたく思っております)できる限り3日ぐらいのうちには返信できるようにと気をつけておりますが、返信したつもりになっていて忘れてしまったりすることもありますので、1週間返事がないなどありましたら確認のメールをいただけると幸いです。一軒一軒、喜んでいただけるよう一丸で取り組みたいと思っています。

明日も、ハンギングバスケット協会でのセミナーがあり、多くの方の前でお話しさせていただきます。会員以外の一般の方の参加も多いようで、来ていただいた方にきちんと来てよかったと思っていただけるようしっかり話をしてきたいと思います!

サルスベリ(Lagerstroemia indica)

自然樹形のサルスベリ

一般にサルスベリというと、さるでも滑るという幹肌と、樹木なのに花期が長い事、そして「強剪定に耐える」という事が良く知られています。そして、①強剪定に耐える②春からの新梢に花が咲く この頼もしさゆえに、、、庭の中では冬に強い剪定をされ管理される事がほとんどです。だいたい切るところが決まっていて、あまり考えなくてもすぐ剪定ができて、サイズ管理も計算できるとなると多くの場合、「こぶになっているところで切り戻す」という剪定になります。その姿は、風情を感じる姿ではない事がほとんどで、嫌いな樹木にサルスベリをあげる方も少なくありません。

でもね、自然樹形で、本来のサイズに育ったサルスベリ美しいんですよ!(写真見て。冬の姿だけど)これで花も長く咲く。緑もきれい。うどん粉病がたまに出るけど幹も素敵だから、総合的に良い木だと思います。「西の魔女が死んだ」を書かれた梨木果歩さんの小説に「家守忌憚」という本があり、サルスベリが主人公に“恋”をするんです。素敵な切口。この話の影響もあって、自分はサルスベリが好きなのかもしれません。この大きなサルスベリを何本も持っている生産者さんいますので、植えたい方はお声がけください。

 

長生きの秘訣

本日のボランティアさん達とのナチュラルガーデンの様子

今日も東京で唯一の道の駅「滝山」敷地内にボランティアさん達と作ったナチュラルガーデンの手入れなどに伺いました。モミジの紅葉と、パニカムなどグラスの枯れ姿が美しかったです。今年の夏は日照りで、宿根草など結構つらそうにしていましたが、この2か月で、ずいぶん力を取り戻した印象です。

フェンネルも株に底力が付いたよう

オルラヤ等のタネもだいぶこぼれていて、春すごいだろうなあ・・・・ってところにさらに早春の楽しみとして原種の水仙をしこんだり、なんとプシュキニアを400球!!これは春が楽しみだ。

小球根をたくさん植えるとき穴空けるの大変だから今日は重ーい鉄の山菜堀でずぼずぼ穴を空けてころころ球根を入れて、さっさと土をかぶせて行きました。

たぶんだけどターシャが長生きしたのは、球根を仕込んだり、秋の紅葉が楽しみだったり、ガーデンを通して未来への期待が常にあったからじゃないかな。。。。

 

はみ出し者の独立物語

アナベルの大株!

お庭づくりを終えて、1年後とか2年後にお客様と植物の話しをすると「とても好きな植物」と言ってもらえる確率の高いアナベルですが、挿し木もそこそこ簡単なはずなのに、生産に対して売れる量が多いようで、現在、手に入り辛くなってきました。そんな中、こんな大株を特別にGETして植込みです。

ん!?コンテナの水抜き穴から根が出て光が当たって、上を向いて芽も出ている。こんな時、アナベルをコンテナから出して地植えするために、芽を切るか、芽を守るために、コンテナを切断するか悩みます。。。

いつもなら、コンテナを切ろうかというところですが、今日は芽(根)をカット。なぜならはみ出し者でも、きちんと自立した根を持っていたから。(お前なら親に頼らなくてもきっとやっていける)

根付きの脇芽

思いがけない株分けで、小さなアナベル一株多く植える事が出来ました。彼を信じて春を待ちます。

道の駅・ボランティアガーデンの秋

滝山ナチュラルガーデン

昨年のはちおうじ緑化フェアにあわせて、ボランティアさんと活動している東京で唯一の道の駅に作らせていただいたナチュラルガーデン。本日も皆様とすがすがしい気候の中、春の準備として球根の植込みや手入れを行ってきました。写真の奥のピンクの固まりはミューレンベルギアの穂。手前のピンクはゴミ袋。(作業中の写真なので、ご勘弁)作業中、ここを歩くのを楽しみにしていただいている方がいるという話も聞いて俄然やる気が出ます。アリウムギガンチュームを20球とか植えたので、来年の春はぜひ道の駅滝山にいらしてくださいね。

パニカムチョコラータの見事な紅葉

ここのガーデンの特徴は、花の力というより葉の力?ナチュラルな植物セレクトで一般的なボランティア植栽とは違い、野の趣の美しさを追っています。今日思わず声が出たのは写真のパニカムの紅葉。これなら多くの人が感じてくれそうな“草の美しさ”

ユーパトリウムチョコレート

 

朝日の美しさに対して、言うなれば今は黄昏時の美しさ。ユーパトリウムの枯れ行く姿もそんな気持ちで見ると、とても素敵。色合いを分析しても実際に美しさの理由がたくさん。

ケストティグマ・プルンバギノイデス

 

紅葉って言うと、もみじとか思い浮かべると思いますが、こんな15㎝程の草花?正確には低木かな。これも紅葉です。名前は「ルリマツリモドキ」もどきって可哀そう・・・って思っていたら、学名も「プルンバギノイデス」プルンバゴとはルリマツリ。つまり、ルリマツリっぽいやつって学名。うーん可哀そう。

ミューレンベルギアの白穂

 

ちなみに穂の美しさから今年あちこちに出回って、名前を覚えた人もおおいであろう、ミューレンベルギア。しかし、ピンクはかなり出ているけど、白は珍しいでしょう?遅いと聞いていたけど、ピンクより一ヶ月くらい遅れてやっと穂が広がり始めた感じ。

カラスバセンリョウ

 

本業のお庭づくりの仕入れも昨日まわれました。このセンリョウとかすごくシックで綺麗だったな。青銀の葉と相性が良さそう。この仕事はパソコンと向き合ったり、石と格闘したり、色々な事をやるけど、やはり植物達と仕事するとなんだか気分があがりますね(*^^*)

もう少し評価されていい子達

セラスチューム

世の中には、実力があるのに意外と流通の少ない?草花があります。

このセラスチュームは、7年ほど前に植えさせていただいた株。ガーデニングブームの時ってセラスチュームは寄せ植えの脇役みたいな位置づけで売られる事が多かったです。

花のきれいな宿根するグランドカバーとして「シバザクラ」は評価が高いですよね?でも花色が鮮やかゆえに、シックな雰囲気の植栽には使いづらいもの。私も使うなら白系が多いです。

でも花の時期以外にもいい味を出してくれるのがこのセラスチューム。

この銀葉にヒューケラのパレスパープルとか銅葉をあてると、まあシック!そして銀と銅葉というシックコンビに似合う花色はいがいと限られてしまうけれど、この「白花」は邪魔にならない。良くも悪くも這い広がるタイプだから、ナチュラルな雰囲気を出すのにも最高!

できる事ならこうゆう苗は、通年流通欲しいなあ。。。

Viburnum japonicum

Viburnum japonicum

今日も午後から暑かったですね!本日植込みした植物の中で、ご紹介したいのはViburnum japonicum和名で「白山木」です。

学名から読み取れる通り、日本のガマズミなんですが、何が良いって「葉の形状は薄いのに、色の濃い緑の照り葉」んで「常緑」。山照らしって別名もあるくらいで、本当にテラテラしています。濃い色は低い位置にあると安定感が出るので、ここでは白山木も大きくしない使い方、管理で行くつもりです。あっどれか写真がわかりづらくてすみません。緑中心の植栽の魅力は色がごちゃごちゃになって不調和になってしまう事がなく、色味が絞られている分、葉の形の変化や今言った「照り葉」などのテクスチャの違いを楽しめる事。暗くなってしまう事もあるので、今回は白い背景でしっかり緑の葉の魅力を存分に引き出しています。このテラテラ感・・・クセになります。

美しい庭

お客様が育てられている素敵な庭

春らしく動いていたら、また久しぶりの投稿になってしまいました。写真は先日お伺いさせていただいていた春の喜びが感じられるお庭です。宿根草と球根植物、一年草のバランスも良く、ダイナミックに使うものはダイナミックに、繊細な山野草も、心地よさそうにしています。このタイミングで仕事で伺わせていただけて良かった!もちろん、他のお客様のお庭でも同じような事を感じました。春を感じる事とは、瞬間だと何も変わっていないような一日が実は日々動いていると実感することで、オーバーに言うと「生きている自分」にも気づく事だと思うんです。もちろん、みんな生きているんだけど、実感しなくちゃ「損!」みたいな気がします。

 

Yucca rostrata

Yucca rostrata

久しぶりに仕入れた“ユッカ ロストラータ” この子はブルーグレーの葉がすごくきれい!

希少種だから決して安くないけど-10度までも耐える丈夫さも魅力。

変な話、飽きたら売っても“もと”とれるような人気の植物です。

飾ったら写真を撮らせてもらおうと、一眼レフ持って行ったのに、、、SDカードパソコンにつけっぱなし。はあ。

でも、お施主さまがすごいチェアを準備中なので、揃ったところで、いい写真を撮らせていただきます!

今日は携帯で撮った写真で、鉢だけ紹介。底面潅水は育てやすいけど、多くの物は室内用。でもこの鉢はなんと、オーバーフローが付いていて雨で貯まり過ぎてしまうって事がない。(優れもの)ちなみに底面潅水って、鉢底に水をためると、写真の筒に目印の「浮き」が出てきて水位を示してくれる。必要量が毛細管現象で水があがるって仕組み。でもたまに土の上から上げないと肥料の問題などあるので、お忘れなく。

って感じの便利で植物にも良い鉢です。

あ、メリークリスマス ^^

カロチノイドだのクロロフィルだの。

ジューンベリー(アメリカザイフリボク)

現在施工中のお庭に植えさせていただいたジューンベリー。

4月に咲く白い花と、6月(ジューン)になる実、そしてこの紅葉も観賞価値に入れると一本で楽しみが多い樹ですね。

ベリーって付くと、育ちすぎて暴れるイメージ?もなんとなくあったり、、ブルーベリーのように株立ち更新型みたいなイメージもありますが、そこそこ樹形もきれいなので、冬の幹姿もいいですね。

そして、この子は「自家受粉」します。一本で結実するって安心ですね。ジャムなども作れますが、熟して来たころだいたいは鳥が食べてしまいます。 「今年も鳥に先を越された」などと言いながら樹と共に歳を重ねるのも悪くないかもしれません。

ちなみに、この葉色は葉の中の“クロロフィル(葉緑素)”が分解されだすとカロチノイドの黄色が目立ってくるそう。赤はアントシアニン。

カタカナになったとたんに、全部どこかで聞いたことある言葉だけど、すごく身近な存在だけど、遠い世界のものみたい。

※せっかくNHK趣味の園芸の庭木記事を書かせていただいているので、時々は木の事も書いていきたいと思います。

生産者さんへ伺う意味

右は木がしっかりしているアガパンサス。左は珍しい品種のアガパンサス。

良い料理人は味付けなどで美味しい料理をつくるかもしれませんが、同時に素材にもこだわっていると思います。植栽も同じような事が言えて組み合わせなども大切だけど、苗の状態等で見た目もその後も大きく違ったりします。

先日、白花のアガパンサスの大株を探しに行った時に生産者さんが「芽数も大事だけど、木がしっかりしてるの選んだ方がいいよ」と教えてくれました。ここでいう「木」は株元の固くなった部分です。ここがしっかり固くなっているほど、寒さに耐える強健さとかを持っていて、人で言うと体育大出身みたいな?感じです。

実際に研究しながら育てている人のアドバイスは宝物で、ここで得る話は教科書で得る知識よりも大切です。まして、新しい品種などどんどん出てきていて、場所に合わせて使える子を考えるのもガーデナー、ガーデンデザイナーの役割だと思うので、日々の情報が大切になります。