先日座談会があり、その中の話題、質問のひとつに「この仕事に向いている人は?」というものがありました。私は答える時に、「この業界の仕事にも色々あるので、定時にコツコツ仕事を進められる人が必要な部分や、ブルドーザーのように新しい部分を開拓できる人が必要な時も、クリエイティブな人が必要な時もある。たぶんどんな人でもこの業界のどこかにマッチするんじゃないか・・・」的な曖昧な答え方をしたと思います。
でも、帰りの電車に揺られながら思い出していた時に、いやいやそういえば、向いていると思う性格が一つあったぞと思い出しました。それは、はっきりと「美しい」「なんかいやだ」と言えるスキルです。
これは結構別れます。簡単なようで、難しいです。例えば、自分が学生で、共同で作品を作っている姿をイメージしてください。図面はあっても植栽などのように、やりながら閃いて、どんどん変わっていくものとします。10人で10㎡を作業していたとして、こうゆう場合、1人1㎡とは別れません。なんとなく、「こうの方がいいんじゃない?」とか言い出す人がでてきて、ディスカッションが生まれて、消えて、また生まれて、消えて・・・気が付くと誰かが指揮をとっていたりします。そして誰かは細部の完成度に没頭したり。誰かは人の気付かない作業をどんどん気づいてカバーしていったり。自分ならどんな事をやっているだろう。
これが良いとか、これは嫌だとか言うのは簡単だけど、その意見を基に皆が一生懸命植えなおしたりして、やってみたら、いまいちだった。もちろん皆いい気分はしない。その繰り返しになるリスクを背負えないと発言はしにくくなります。つまり、リスクを考えたりしないでざっくばらんに思った事を言える人。根拠が無くても自信のある人。できれば、変な好みだろうが、「良い!」「悪い!」をぶれずに言い切れる人。この人がこの役割に向いているかもしれません。
理論的な良い・悪いにせよ、直感的な良い悪いにせよ、口に出せて言い切れる人。これが簡単なようで、難しくて、でもいないようで結構いるんですよ。
たぶん、後者の直感型は10代のうちにすでにその傾向がでていると思います。思い起こせば、高校の文化祭の時にもいましたもん。Sさんとか。いましたよね?きっと。方向性や、マイノリティーな好みとか色々あるかもしれないけど、大切なんですよ、
「美しいと美しくないの判断の軸。」持っているかどうか。
これが、10人中5人で判断すると美しさのベクトルを引っ張り合うので、たくさんの軸よりも、一つの軸の方が完成度があがる。周りもそれを知っているから、声を出す人の自信に託すようになってくる。だから業界の植栽とかだけで言えば、たぶん軸を持っていて、声を出せるSさんは向いています。(*^^*)