はじめての庭づくり記事お悩み解決編~植物がうまく育たない~

 

 

2年経って植物が馴染んできた様子

1.悩みから庭づくりを考えてみよう ~植物がうまく育たない(植物選び)~

本当に良いお庭をつくろうと思ったらまず自分や家族にしっかりとヒアリングをすることをお勧めします。そして家を建てたときの図面を利用して、自分たちにあった庭を計画する事が大切になります。でも、それ以前の問題で、「植物が育たない」という問題があって庭をつくる気になれない場合どう考えたらよいでしょうか?

a) 植物選びの具体的な方法・・・

植物がうまく育たないという声は実は多いです。もちろん、それぞれどんな環境でどんな植物が育たないか?伺ってみないと理由はわかりません。でも、多くの場合選んだ植物が環境に合っていないいないという事がほとんどです。宿根草と書いてあっても、「関東では難しいけど夏暑くならない高地なら宿根率60%あるよ」みたいなものもすごく多いです。では、どう選べば良いか??これにはまず、自分の家の環境を知る必要があります。例えば「玄関前は日あたりが悪くて、なんとなくいつも湿っている」「裏庭は南向きで、一日中日が当たる、でもフェンス際は西日しかあたらない」みたいに、一度客観的に日あたりを観察してみましょう。土質なども関係してきます。自分が住んでいる地域の事はどの程度知っているでしょうか?山に行くと緑も多く、高地で涼しいですが、関東はコンクリートで平地で暑いです。海辺は塩害もあります。犬の散歩中などでも、自分の住んでいる地域で、どんな植物がどんな場所で元気に育っているか見てみると、図鑑よりもよっぽど信用できるデータになります。また、植物には個体差もあります。例えば、熱帯魚を本の通りに環境を合わせて飼っても、元気な子もいれば、時には死んでしまう子もいます。一度枯れても、育つはずと思ったらもう一度トライすることも必要かもしれません。環境がなんとなくわかったら植物選びですが、私は、園芸を始めたころは新しいきれいな子にばかり興味を示していました。でも新しい子は計算通りにいかない子も多かったです。そんな中、どこで植えても喜んでもらえて安定した成長をする品種たちがだいぶわかってきました。これも別の回でしっかり書きたいですが、例えば半日蔭なら「ホスタ(ギボウシ)」「クリスマスローズ」「斑入りヤブラン」などそれにあたります。新たに改良された園芸品種というよりも、園芸好きのおばあちゃんたちの間で増やした苗が交換されるような昔からの品種が多いです。

タイム・セラスチューム・アナベル

アナベルなどもこの「計算できる植物」になります。寄せ植えを作る際は、園芸店で輝いている子をなんとなく集めてきてもいいですが、庭の植栽を計画する際は、自分がどの程度管理できるか?(控えめに)良く考えて、例えば20㎡の植栽のうち、面積から8割の16㎡は計算できる子を植えよう!残りの4㎡で植え替えも考慮したウエルカム植栽など楽しもう!など将来の管理まで含めて計画することをお勧めします。この16㎡(計算できる安定した植栽)には、樹木・低木も大きなキーアイテムになってきます。今度具体的なお勧め樹木書いていきますね!

派手さはないけど、ランタナもあたたかい都内などでは管理が楽で、しょっちゅう咲いてくれる計算できる小花

b)環境に問題ある場合の改善方法

植物選び以外にも、環境そのものに問題がある場合もあります。北側が建物の陰になるから日あたり向きの植物が育たない等は、上記のように、環境に合わせるしかありません。でも南側の日あたりに大好きな日陰の宿根草を植えたいという事であれば、緑の小屋根をつくるような、木を植える事で3年後には改善できるかもしれません。「土質」も重要な環境です。試しに庭の土を軽く握ってみてください。さらさらと塊にすらならなければ、養分を蓄える力に欠けているので、腐葉土や堆肥を漉き込んで保肥性を高めます。逆に塊になって、崩れにくい粘土質なら砂やパーライトを混ぜて根に空気が行き届くように改善します。雨が降った日にぬかるむような水はけが悪い場所なら、暗渠と言って人為的に排水を促すパイプや溝をつくる事もできるし、自分で簡単にやるならいくつか複式スコップなどで縦に穴を掘って、大き目の砂利を入れ込んだ排水をつくる事でもずいぶん違います。

c)自分でやるか業者に頼むか?・・・

植栽を自分で行うメリットは、工賃分安くなることと、作業や、苗の買い物さえ楽しみ、愛着が持てる事です。業者に頼むメリットは、園芸店では手に入りにくい植物も生産者さんとのつながりで仕入れて植える事ができたり、経験からのプランニングができる事です。植物、下草は特に業者により得手不得手が別れるので、過去の植栽例など良く見て業者を選んでください。(植栽のみは嫌がる業者もいると思います)また、土の入れ替えなど規模を大きく行う時は自分でやろうとすると、土を掘るというのは難儀だし、ホームセンターから大量に買って運ぶことになったり、古い土の処分に困るので、ダンプなど持っている業者に頼んだ方が、自分でやるよりも楽でなおかつ安く済むと思います。人によってだと思いますが、土の入れ替えや、安定した部分の植栽は任せて、ウエルカムエリア植栽などは自分で楽しむぐらいが良いかもしれません。ちなみにアトリエ朴で植栽を行うと、内容によって違いますが、大きな樹木は別で、下草としての低木、宿根草などで、プランニング、植え込み費込みで、㎡1.5万円~2万円くらいが多いです。1㎡のみ等の場合はプランニング~仕入れ~植え込みの日数効率の問題で少し割高になってしまう事が多いです。

アトリエ朴にご相談いただく場合はコチラからお問合せいただけると幸いです。植栽のみのご依頼でもコンタクトページ上では、「デザインの依頼」を選択してください。

ご自身で行われる場合にはDIY庭づくりの方法をもっと詳しくまとめたコチラの本をぜひ参考にしてみてください。