空間をどの位置から眺めるかという、空間を構成するスケールの話になると、ガーデンを生業にさせていただいている自分にとって寄せ植えはメイン1種類+足元飾り1種類ぐらい、ダイナミックなつくりの方が扱いやすくなります。
今度は“飾る”ではなく“つくる”日常美術という話になると、寄せ植えの魅力はなんといっても、ひと鉢ごとに、世界観を変えて作る事ができるという点です。ガーデンはスッキリとしたナチュラルモダンで作っている人も、時には甘い、ロマンチックな植え込みをしたくなることもあるかもしれません。そんな時ひと鉢で完成させられる“コンテナでの寄せ植え”はちょうどよい日常美術となります。
寄せ植えをつくる事はどんどん少なくなってきていますが、昔作った物の写真が残っているものもいくつかありました。今見ると、2009年の緑中心の寄せ植えが土っぽく作ったコンテナに合っていたし、丸の内に飾るというシチュエーションに対して良かった気がします。同じように見える緑でも全く同じ緑は無いし、葉の形の小さな違いにも気づきやすくなる集め方だと思います。野原に飾ったら通用しない寄せ植えではあります。
半年に一回でも、たとえ小さな世界でもゼロから完成まで計画して組み合わせなど考えながら行う創作活動って凄く良い事だと思います。まして寄せ植えは普通に作品を玄関前などに飾る事ができます。
ちなみに、2015年の作品は今だから言うけど初めて、真冬の新潟で賞金総額100万円の寄せ植えコンテストをやろう!と企画したときに、応募がたくさんあった方が良いと企画者側でありながら出した作品。でもちゃんと、審査員に選ばれたら申告して辞退しようと決めていました。
結果は、いらぬ心配…「箸にも棒にも掛からぬ」でした (汗)